じかんのむだ

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「学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方」を読みました

 今日、サンキュータツオ氏が書いた「学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方」を読みました。

 最近までサンキュータツオ氏を知らなかったのですが、知ったきっかけがアイマストークライブの様子を配信した「熱量と文字数」で。その時は「ああ、オタクなんだな」くらいにしか思わなかったのですが、数日前Wikipediaで氏の項を見ると大学院博士課程を単位取得満期退学(オフィス北野のプロフィールではこう書いてあった。Wikipediaでは修了となってた。博士号取得した?)してて一橋大学の非常勤講師を勤めているがメインは米粒写経という芸人のツッコミらしい。本の帯を見ると「学者芸人」とある。やはりメインは芸人みたい。

 Wikipediaに今回読んだ本のことが書いてあって友人に聞いたりアマゾンのレビューを見て面白そうだったので買ってみたというところです。

 結論から言っちゃうと「ものすごく面白い」です。芸人なのでfunnyの面白さを出していますが、interestingの方の面白いも随所で見られます。軽いタッチで国語辞典の歴史(「国語辞典」は明治に初めて出たらしい!)から各社が出している国語辞典から主なものを取り上げ特徴を書いています。

 この本で分かるのは「各社、各辞典で特徴が全く違い、それぞれにいいところがある」という事。その中で「広辞苑は万能ではない」という事も書かれていて「あー、なるほどねー」と思います。まあ、最大公約数的な役目は果たしているのですが。

 ところで、私が最初で最後の自分の意志で買った国語辞典は三省堂の「新明解第五版」でした。確か高校時代だったと思いますが「面白い」と話題になってたのです。ただ、確か卒業する時に捨てちゃったんですよね。引っ越し荷物少なくしようとして。この本を読んだ後の今、捨てるのは間違ってたなぁと考えてます。

 と言うのも、版によって「加えられた言葉、削除された言葉、語釈の変化が楽しめる」とあったからです。実例を上げて説明されていましたがなるほど版によってそれほどまでに差があるのか、と。

 また、これが辞典ごとの差になるとそれは楽しいほどに語釈が違うのです。これも実例を上げて説明されています。氏が「国語辞典は2種類以上持て」と言うのも納得です。

 「高い」と思われている辞典も小版の辞典ならばCDアルバムを1~2枚買うお金で1冊買うことができます。そう言われると辞典はグッとお安く感じられます。2冊以上持つのも可能だと思えるようになります。氏に言わせればそれで「1年は遊べる」と言う事らしいので辞典読みは比較的コストパフォーマンスがよい趣味ではないかと。

 この本を読むと無性に国語辞典が欲しくなります。今すごい欲しいです。今度書店に行った時は間違いなく辞典コーナーでいろいろ読んでる事でしょう。

 この本は読み物としても面白いものですが、まさに「辞典どれがいいのかわかんない」という人には最高の水先案内人になるでしょう(結局絞れなくて複数買う事になるハメに陥りそうですが)。それくらいの魅力が各辞典にはある、そう思わせてくれる一冊です。是非。

 

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