今回、恵まれたことに、final Audio Server(Discordサーバー)参加者のなかから、A10000の本格的なメディア発表を前にその音を聴かせていただくことができたので、感想などを書いていきます。どうもばりっぴです。感想を書いたりすることは許可をいただいております。普段はプアオーディオをやっていて、こういう本格的なイヤホンを聴くのは初めてです。

左、もらうことができたフライヤー、右、ダイヤモンド振動板など
final本社に早く着きすぎてしまってどうしたものかと思っていたら、早く5階に上げてもらって、ちょっとした裏話等聞くことができました。
今回、このA10000を作るに当たって、ほとんどの部品を新しく作ったとの事でした。今回新採用のトゥルーダイヤモンド振動板はもとよりそれを支えるエッジ、振動させるのに必要なボイスコイルも新しく作ったそうです。ダイヤモンド振動板とエッジを接着するのに接着剤、ではなく、真空抜きして分子間力でくっつけているとの事でした。また、ボイスコイルは今までのどのコイルよりも線が細く、そのため繊細なのでボビンに巻き付けているとの事でした。

final A10000
イヤホンケーブルは潤工社のオーディオ向けにとってもいいケーブルに、これまた新開発の絶縁材(発泡性テフロン?だったかな)を使用している、とのお話でした。
印象的だったのはfinalの社長さんが「新製品ができるともうその商品には興味が無く、次の好い音を出すプロダクトに気持ちが向かっている」のが通常だったそうですが、このA10000ができて1ヶ月ほどだそうですが、「まだA10000の苦労話などをする」とおっしゃっていて「あ、これは本当に良いプロダクトができたんだ」と期待させられました。

各席に置かれたA10000
今回は4.4mm5極のバランスケーブルが付属する、とのことなのでDAPもそれに合わせてHiBy R4を持っていきました。
前置きが長くなりましたが以下で感想を書きます。
初めてのオーディオ機器の時に試す楽曲が中西圭三の「Woman」なんですけど、イントロのギターとドラムの音からして聴いたことない音がしてて背筋がゾクゾクきました。「これが20万するA8000よりも好い音かー!!!うわー」「これがfinalの音作りの哲学…!」など思いました。そう、私のイヤホンの先生であるはやぽんさんがおっしゃっていたのかな、「10万円以上のイヤホンは哲学」って。初めて10万円以上する(と思われる)イヤホンをこのA10000で聴いて分かったような気がしました。気がしているだけかもしれませんが、それほどまでにこの音、すごい。
説明をいただいた方には「私はこれほどまでの低音を聞いたことが無い」とあって、本当にすごい。低音中音高音どこをとっても音がダマになるような事は無く、綺麗なんです。
次にアイドルマスターシンデレラガールズの「ガールズ・イン・ザ・フロンティア」。この曲、アイマスの中でもだいぶ好きな曲で、よく聞くんですが、歌っている声がしっかりと聞こえる。変な言い方になりましたが、オーディオエンスージアストはこういう音で聞いてたのか。印象が変わる。
次はちょっと毛色を変えてYMOの「Rydeen」。ヤバい。これYMOしか聴かないおじさんとか聴くと昇天する。天国の教授によろしく言って置いてほしい。結構脳に来る。
じゃあ、と思って、UnderworldのRez。これも好い。いや、イヤホン、ヘッドホンをほぼ専門で作る会社が「今、これ以上のサウンドは無い」って言って送り出してるプロダクトなんですから、好いのは当たり前なんですけど、好いのレベルが違う。放心しますね。
その他にも90年代J-POPを数曲聴きました。どれもこれも「お前そんな音鳴ってたの」のレベルで好い。評論家とかは「ダイヤモンドのダンピングファクターがどうやら」みたいな話に繋げるんでしょうけど、私は素人なので、「好い」としか言えない。
一通り聴いて少しfinalの方とお話できたんですけど値段は「高い」と断言されました。単純に好い音だから高い、というのでは無く、やはりこういういいものを作るのには基礎研究などいろいろ直接お金儲けにはならないような(でも結実すればすごくいいプロダクトができる)事もやっていて、さらに言うならA10000などのハイエンドイヤホンは「スーパーカーみたいなものだ」と形容されていました。確かに、普通の車作るのには必要無い研究がされたり、普通の車を作るのに使われないものが使われるのがスーパーカーです。あと、所有する愉悦なるものもあるでしょう。
直接的に「おいくら」とまではうかがえませんでしたが(今後のメディア発表で出るでしょうけど)、A8000の値段を超えててもおかしくありません。
が、これだけの音が鳴っているし、その価値を認めるなら、価格は恐らく妥当でしょう。私は初めて「このイヤホンと別れたくない」って思いました。そのくらい後ろ髪を引かれるプロダクトでした。
こう言うと変かもしれませんが「そこにある音がそこで鳴っている」イヤホンです。泡沫レビュアーでは語彙が足りなくて申し訳無い。ただ、当たり前のようでいてこれができるイヤホンってすごいです。
最近は中華イヤホンで、いいものが多く出ていますが、いいものを作るということにかけては日本が黙っているわけないんですよね。私はfinalの製品はE3000、A4000など持っていてその良さは知っておりましたが、本当のすごさを今まで知らないままでした。
今回のイベント、ヘッドホン祭など直近に控えている中、社内でも「やる意味あるの」みたいな話が出ていたそうです。私はやっていただいて良かったと思っています。というのも、ヘッドホン祭などは「知っている」人たちが集まると思うんです。今回みたいに予約はいるけどふらっと私みたいな素人がハイエンドの音を知れたのはとてもよかったです。
人ごみが苦手なので大きいイベントほど私は足が遠のく(笑)。
感動のあまりfinalガチャをゲーセンでするのを忘れて一目散で帰ってきて今回の文章を書きました。
稚拙ですが、参考になれば幸いです。ばりっぴでした。
4/19 23:30追記(Discordに書いた内容を転記します)
今回、A10000を聴かせてもらって、なんか昔に似た感情になったなと思ったんですけど、ラ・フォル・ジュルネでベートーベンの運命の名演を聴いたときと同じ感情だった。何がいい、よかったって聴かれるとわかんないんだけど、それはすごかったのよっていう感情だけが残るってやつ。